「え。何ここ…すっごく素敵な所。」

すごい。色んな植物があって…素敵。

「だろ?やっぱりそう言うと思った。
夜は月が綺麗なんだぜ。」

ズキ…

「痛っ」



〝「誰?」

「私は、月姫…。」

「へえ、俺は、青葉。」〟

…え?
何、今の?

「大丈夫か?」

「う、うん。」

〝「よく、そんな軽々しく言えますね?
他の人にも、言っているんでしょう?あなたに会いになんて来ませんから!さよなら!」…〟

ズキ…

〝出来たー!
この景色が100年先、1000年先もずっと変わらずにいますように。
願いを込めて…〟

あれ…ここ…って…
…ダメだ。思い出せない。

「ここ…見たことある。」
「思い出したのか⁉︎」
「ううん…。」

「そっか…」

「ごめん。でも…」
「でも?」
「あなたを…昔から知っていた気がするの。」
「…っ!…そっか。今はいい。ごめん…学校戻る?」
「ううん…少し休みたいから、家に帰るよ。」
「送るよ。」
「大丈夫。じゃあね。」




…「はあー!」


本当に初日にサボっちゃったよ。
でも…
あの…葉渡…青?
悪い人じゃないな…
それに、あの人の言ってること…本当だと思う。
私、何か忘れてる気がする…
思い出せないなあ。




ぐるるるる…

「お腹すいたー!」

夜ご飯食べたけど、もう11時だからお腹すいたな。
コンビニでも行ってくるか…


「ありがとうございましたー」

帰るか。
怖いんだよね。ここ…
暗くて、人通り少ないし。

「ねー!」
え…なになに⁉︎
「ねえってば!」
「わっ!」
腕つかまえてる!
は、離してー!
「今、1人だよね?少し来てほしいんだけどいいかな。」
「い、いや!」
「いいから。」
わっ…


「う…」
どこ⁉︎
「気がついたみてーだな。」
だ、誰ー⁉︎
あ。そうだ…確か…
コンビニの帰りに声かけられて…
急に目の前が真っ暗になったんだ…
「そんな心配すんな、お嬢ちゃん。まずあんたの家に電話して金を頂戴してから
あんたはおさらばだ。」
お、おさらば⁉︎
殺される⁉︎
だ、誰かー…

「ちょっくら、出かけてくるか。」

ふー…
やっといなくなった…

でも、殺されるんだ…
誰か…
叫べない。ガムテープで口をふさがれているから。
言えるのは、

「んー…んー!」
くらい。
ここは、どこだろう?
倉庫…みたいだけど。
まだ夜みたいで、窓があるけど暗い。

もう、何なの⁉︎
1日に色んなこと起こりすぎでしょ!

……もう死んじゃうなら、せめて思い出したかった。