「美月ー!起きなさい!」

「ふぁー…今何時ー?」

「8時よ!」

「…ええ!ヤバイ!」

高校初日から遅刻はヤバイ!

「いってきまーす!」



はあ…はあ…

セーフ!

『きゃー!』

ん?何?うるさい。

『あの人、カッコいい!』

はあ…あーゆうの、苦手。
「えーっと、私の席は…」

え。うそ…
あいつの隣ー⁉︎

私は、不幸なことに…
あの女子にモテている男子の隣だった。

うわー。
席に座りずらい…

「はあー…」

隣の男子は、葉渡 青(はわたり あお)と言うらしい。

あ。こっち見た…
やめてー。できれば、関わりたくない!

「あ…」
「え?」

何?「あ…」って。
女子の視線もこっち向いてますよー…

「あんた、名前は?」
「姫咲 美月(ひめざき みづき)。」
「ふーん。」
「なんですか?」
「やっと、会えた…」
「は?」

何?この人。
意味わからない。

「はあ…覚えてないのか…こっちは色々辛かったってのに…」

「?」
何言ってるの?

「はあ…」

『青ー?そんな人、いーじゃん。』

なんなの、もう!
女子って怖い!
そんな人って…

「うん。ちょっと待っててね。」

あ、なるほど。
女子に優しいわけだ。
自分がモテてるって知ってるタイプか。

「あの。あれですよね。やっと会えた…
とか、色んな人に言ってるんですよね?他の人は分かりませんけど、私はそんなこと言われても、何とも思いませんよ。ファンとかにもなりませんから。」

そんな事言われたことなかったのか、唖然としている。

「ククッ…」
「え?」
「ふははは!」
何なの?めっちゃ笑われてる…

「お前、やっぱ変わってねーな!」
「はい?私、あなたと会うの、初めてなんですけど…」

というか…周りの女子が驚いてるよ?
急に笑ったり…
私と態度が違うから。

「思い出させてやるよ。」
「はあ?」
「ちょっと来い。」
「え。嫌だ。」
「いいから。」
「わ!ちょっと…」

『青ー?どこ行くのー?そんな人いいから、私たちと遊ぼーよー。』

「ごめん。今度こいつの事、そんな人とか言ったらマジ怒るから。」

あまりの怖さに女子たちがビビってる…

「いいの?完全に女子たち、ビビってるけど…」
「いいんだよ。きゃーきゃーうるさかったし。」
「ふーん。というか…そろそろ、離してくれない?」
「無理。」
「あのさ…もうすぐ先生来るよ?高校初日から、遅刻したくないし。それに、初対面の人に思い出させてやるよ。とか言われて…意味わからないし。」
「俺は、頭良いから。大丈夫。」

うわ。何この人…最悪。

「あんたは?頭悪そうだけど。」
「そうですよ。私は頭良くないですよ。あなたとは違って!」
「あ。こっち。」
無視かい!
「って!学校でるの⁉︎」
「うん。そうだけど。何か問題でも?」
「問題だらけ!初対面の人と初日からサボりって。」
「こっちは、思い出してもらわないと困るんだよ。」
何それ。
自分勝手すぎる!

「着いた…」