奏「? やっぱり知らないと恥ずかしい、の?」
伸「奏も知らないのか?」
奏「たまちゃんが私は知らなくていいって…」
伸「何だろうな?」
奏「何なんだろうね?」
仲良く首を傾げる二人だが、答えをくれる人は居ないようだ。
た「まぁ、ひとまずそれは置いといて、伸さんの所に来た写真には何もなかったの?」
伸「いや、実はこれ絢之の事務所に送られててな。そっちには『この女と別れなければ各芸能出版社に送る。』って手紙付き。それに俺個人にも手紙が付いていたもんだから事務所の人間が俺にも連絡してくれたんだよ。ほら、この間の写真集の仕事で俺の仕事場の番号教えていたから。
だが、どうもこれの犯人、俺達の事をよく知っている奴だと思うんだよな。」
奏「そうなの?」
智「じゃなきゃ写真に写ってもいない伸さんに手紙なんか来るか?」
確かにと四人も頷く。
春「絢の所に来た手紙の内容が内容なだけにアイツは自宅待機命令が事務所から出ちまってさ。暫くは直接会えないかもしれない。」
千「そうなんだ。絢之も大変だねぇ。ι」
奏「絢ちゃん…大丈夫かな?」
不安そうに眉を下げる奏に孝臣は優しくその頭を撫でる。
孝「奏より大丈夫。絢之は事務所が守ってくれるし、この学園の人間以外、一般人に絢之の素顔は知られていないだろうから悪質な嫌がらせは無いよ。」
奏「あ、そっか。良かったぁ…」
フニャリと微笑み安堵の息を吐く奏にたまえは不安になる。
た「奏、人の心配より自分を心配してよ。こんなことが毎日続いたら怪我じゃ済まないよ?」
奏「でも、私は気にしてないよ?今日だって悪口言われて階段から落ちて手を切って水かけられただけだし…」
全「充分やられてるじゃん。」
奏「? そうなの?でも、私は本当に大丈夫だよ?だって皆が傍に居てくれるから怖くないし、痛みなんてへっちゃらだもん。」
ニコニコ笑う奏に、その場にいた伸と孝臣以外の全員が思わず頬を赤く染める。


