放課後、千尋は一人学園の裏口に向かっていた。
春「オーイ千尋!」
千「! 早かったね三人とも。こっちだよ付いてきて。」
入口には既に伸、智也、春彦の三人が到着しており、千尋は手招きして人目のつかない道を進む。
智「随分と慎重だな。何があったんだ?」
千「それは寮の僕らの部屋についたら教えるよ。だから今はその無駄にデカイ身体を小さくして付いてきなさい。特に春!」
春「Σ俺だけ!?ι」
伸「……奏の奴は大丈夫だろうな?」
いつになく真剣な顔をしている千尋に伸は心なしかいつもより低い声で尋ねる。
千「………微妙?」
春「微妙って何!?ι何で疑問系!?ι」
千「いや、会えば分かるようん。」
微妙な顔で頷き、千尋はとにかく寮に向かう。
それに三人は訳がわからないと思いながらも今はひとまず奏の姿を見てみないと安心も出来ないので、それ以上は何も言わず千尋に付いていった。
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春「………なにこれ。」
奏「えっ…と、階段でぶつかって…」
智「これは?」
奏「つ、机のなかに、カッターの刃が…」
伸「……この水浸しの制服は?」
奏「…バケツの水を…」
春・智・伸「やった奴はどうした?」
孝・た・千「三種の神器の餌食。」
奏「…………ιιιιι」
ここは孝臣と千尋の部屋。
そこに足と手に包帯を巻いている奏とその隣で不機嫌そうにお菓子を食べる孝臣。
奏の後ろには彼女の頭をタオルで拭いているこちらも明らかに怒ってますという顔のたまえがいた。
そんな彼らの怒りのオーラに先程から怯えている奏は伸達からも同じ怒りのオーラを感じ更に縮こまる。
しかし、怪我はしていても特に精神的には無事なようで、先程の千尋の“微妙”と言っていた意味が分かった。
とはいえ、奏以外は彼女の怪我に怒っているようだが…