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千「……確かに、こりゃ彼女がぶちギレるのも無理ないね。たくっ、ふざけやがって…」
パシャッ
奏のロッカーを携帯のカメラで撮る。それはそれはヒドイ有り様だった。
千(基本的にあの子が誰かに嫌がらせを受けるなんて有り得ない。だってあの子は、この“学園の妹”って好かれているはずなんだから。)
するとピリリと着信が入る。孝臣からだ。
千「ほいほーい、どったの臣くん?」
孝『千尋、一階から全部の教室回ってきて。奏達の教室と俺らの教室の黒板に奏と俺達の写真が貼られられて中傷が書かれている。しかも絢之の正体も分かってるみたい。もしかしたら全部の教室あるかもしれない。俺は二年から三年生の教室見てくるから一階を頼むね。』
千「Σハッ!?ιマジで!?分かった。中等部の方は?」
孝『終わり次第そっちも。よろしく。』
ピッと通話を切り、すぐにたまえの元に先程撮った写メを送ると千尋は急いで一階を回った。
それから一階の鍵のかかっていない教室全てに素顔の絢之と奏の楽しそうな写真と孝臣、智也、春彦ともじゃれあう奏の写真。
それは自分達が見慣れたいつも通りの光景で楽しそうな顔をしている。
千「かっわいいー!……じゃなくて、いつ撮ったんだろ?これ、明らかに隠し撮り…しかもこんな中傷…孝臣平気かな?ぶちギレていなきゃいいけど…ιいや、これをアイツらが知ったら…」
ゾクリと背筋に寒気が走る。あの四人+たまえ。どう考えても
千「こりゃ、自業自得っつーか、御愁傷様というか…」
ほんのちょっとだけ、この犯人に同情するがそれも一瞬だけ。寧ろ一瞬でも同情されただけ有り難いと思うべきだ。
千「さて、これの犯人にどう制裁を下してやろうかな~♪(黒笑)」
口調は軽くてもその顔は凶悪なそれだ。
千「とにかく、さっさと回収するかな。あっ、1枚貰っちゃっても良いかな♪」
そう呟き胸のポケットに仕舞ったのは五人が写ったもの。
千「ほんと、可愛いよねこの五人。だから覚悟しておいてよね犯人さん。彼らを好いている人間を怒らせたら…どうなるのか、身をもって知ればいい。」
冷たい呟きを残し千尋もまた走り出すのだった。


