千「あっ、ちょい待ち。それ写メ撮った?」
奏「う、ううん。ビックリしてそれどころじゃ…」
奏の返答に納得する。つい今さっきのたまえの様子に彼女が確認してすぐに職員室に直行しようとしたのだろうと容易に想像がついた。
千「じゃあ僕が写メ撮ってきてあげるから孝臣は一度奏の教室に行ってみて?ロッカーがそれなら教室の机だって何かされてるかもしれないし。」
孝「分かった。奏、大丈夫?」
奏「う、うん。私は平気。」
頷くとそっかと頭を撫でて彼女の手にコロンと何かを転がした。
奏「臣くん?…ってこれ、臣くんの最近のお気に入りの飴?」
孝「ん、バニラ味。美味しいよ。」
奏「……ふふっ、ありがとう臣くん!」
フワリと微笑みお礼を言うと更に撫でて孝臣は階段を登っていく。
千「写メ撮ったらそっちに行くから。」
じゃあねと千尋も一瞬だけ奏を撫でると昇降口に向かった。
奏「何か、皆に迷惑かけちゃって、ごめんね?」
申し訳無くてシュンとしてるとたまえはデコピンを食らわせる。
奏「Σはぅ!?ι」
た「ばーか。迷惑じゃないわよ。ほら、行くわよ!」
奏「…うん。」
くいっと先程より優しい力で引っ張られ今度は引き摺られる心配もなく付いていく。


