孝「(イケるかな?)絢、ウィッグ着けて。」
絢「ん?おぉ。」
絢ちゃんはフワッとウィッグを着けるとたちまちアイドルのAYANOになる。
だけど不思議と先程のように違和感を感じない。
奏「絢ちゃん、歌ってくれないかな?私、アイドルのAYANOを撮ってみたい!」
絢「ん?ああ、じゃあリクエストにお応えしましょう!」
すると絢ちゃんの雰囲気がガラリと変わり目を閉じて深く息を吸った。
歌い出したそれはとても綺麗な声と旋律のバラード。
私はそんなAYANOを撮っていく。
絢ちゃんは一曲歌いきると、今度はジャンルが変わり、ポップな曲をダンス付きで歌ってくれた。
奏(凄い、楽しい!写真でこんなに楽しいのは初めて!!絢ちゃんの動きに合わせてシャッターを切る音が気持ちいい!)
夢中でシャッターを切ってるとそれ以外何も見えていなかった。
ガッ!
なので足下が疎かになっていたのは当然で
奏「えっ?」
絢「Σ!! カナ!ι」
グラリと視界が反転していくのに思考が追い付かないのも当然で
奏「Σうっ、わ!ι」
思わず小さく悲鳴を上げて、私の体は後ろに倒れていった。
ドサッ!
奏「………?ιι……」
しかし倒れたが予想した痛みはなく、咄嗟に閉じた瞼を開くと
奏「伸ちゃん…!?」
目の前には私の体を抱き込むように支える伸ちゃんがいた。


