四つ葉のクローバー 幸福は誰の手に



孝「大丈夫じゃない?素人のカメラマンが必要なんだから、あまり気を張らずにやれば良いんだし、相手は気心知れた仲の絢之なら奏もやりやすいでしょ。それに俺、奏の写真好きだよ?」


奏「確かに絢ちゃん相手なら気は張らなくていいけど…それに臣くんのそれはさアレじゃない?身内贔屓っていうか…」


孝「俺、わりと客観的に見ているつもりだよ?」


う~う~と唸るも絢之のまるで仔犬のような目に負ける。


絢「カ~ナ~お願い~(泣)」


奏「……絢ちゃんが仕事に真剣なのは分かっているから、余計にそんなのに私が関わっていいのか不安だけど…わかった。やってみるよ!」


ニコッと屈託なく笑う奏に絢之は嬉しそうにギューッと抱き締める。


絢「サンキュー奏!愛してんぜー!!」


奏「Σキャッ、あ、絢ちゃん!?///」


?「あらあら?こんなところで大人気のAYANOのスキャンダルかしら?」


ピタリ


突然聞こえてきた声にその場にいた者は動きを止めた。


絢「あ~ら盗み見なんて趣味の悪いことするのねミナちゃん★」


ギュウウと更に抱き締める力を強め、AYANOの顔になった絢之に何となく黒いものを感じとり、恐る恐る上を見る奏。


奏「あ、や…ちゃん?」


絢「カナちゃん、この人がさっき話した斉藤 ミナちゃんよ。」


ニッコリと奏にはいつもの優しい笑みを向けたが、どうゆうことだろうか?斉藤に向ける笑みは真っ黒だ。


千「…孝臣、絢之なんか恐いんだけど…(ヒソ)」


孝「ああ、絢之は彼女の事は本当に嫌いだからね。」


千「Σちょっ、声抑えてよ!?ι」


しれっといい放つ孝臣に慌てる千尋。


ミ「……あら、貴方達はAYANOのお友達?困るのよね~ここは関係者以外立ち入り禁止なの。そんなこと“先輩”のAYANOさんなら分かっていらっしゃると思っていたのですけど?」


それを聞こえていたのかジロリと孝臣達を見ると絢之に視線を移し先輩をいやに強調して言う斉藤は節々に悪意を感じる。