奏「伸ちゃんには今まで私を育ててくれて感謝しているし、大好き。
だから彼の言い付けとかは守ってきていたんだけど、でも受験シーズンに近付くと私の受験先をここにしろって言ってきたり、それまでは傍に居るのが当たり前だったのに急に私を避けだしてきて…どうして?って聞いても答えてくれなかった。奏の気にすることじゃないってはぐらかすし…」
苦しそうに顔を歪める奏。
た「…奏」
奏「あの日に言われたわ。『迷惑なんだ。』って。その時、私は自分の存在理由が分からなくなってしまってただ離れていく伸ちゃんの背中を見詰めているしかなかった。…結局私って、伸ちゃんの事を理解出来ていなかったんだって思い知らされたの。」
た「…まさか、それから二年間、音信不通だったの?」
奏「うん。皆にも心配かけちゃった。あの頃の私は殆ど情緒不安定でさ、毎日が単調に過ぎていって何をしていたのか覚えてないんだよね。ι
後から聞いたけど、臣くん達がものスッゴクキレちゃって大変だったって臣くん達のお母さんが言ってたよ。ιι」
た「…だからアイツらその伸って人の事、アンタに言いたくなかったのね。」
奏の事を大事にしている幼馴染み+千尋の事だ。この件に関して少なからず皆、トラウマになっているのかも知れないと思うと彼らの行動にも少なからず納得出来る。
奏「そんなある日、臣くんがね、これをくれたの。」
た「四つ葉のクローバー?」
これと指したのは先程彼らにもあげた四つ葉のクローバー。
奏「『日本では四つ葉のクローバーは一枚一枚に意味があるんだ。一枚は希望。一枚は信仰。一枚は愛情。そして最後に幸福。俺は伸さんを許せないけど、奏と過ごした時間に嘘は無かったんだと思うよ。だから彼の言葉を全て本当だったなんて思わないで。』って。その時、思い出したの。伸ちゃんにも昔、四つ葉のクローバーを貰ったことがあってあの時の彼は確かに私に愛情をくれていたんだって。」
た「じゃあ奏は伸さんを信じているの?」
奏「……信じているなんて本当は言えない。だけど、彼にちゃんと向き合う勇気はある。臣くんはそれを分かってくれるから伸ちゃんの事を素直に教えてくれたんだろうし、私はそれに応えたい。たとえまた傷付きようが伸ちゃんと話したいの。もう一度、ね。」
た「……そっか。」
たまえは奏の頭を優しく撫でる。
た「話してくれてありがと奏。」
奏「こちらこそ、聞いてくれてありがとたまちゃん。」
た「………っつ……!」
ニコッと笑うと何やらたまえがプルプルと震え出した。
奏「たまちゃん?」
心配そうにたまえを覗き込むと
た「………っっっかっわいいー!!あー何でアンタってばこんな可愛いの!?天使か!アンタ実は天使なのか!?///」
突然かばっと奏に襲い掛かりそのままギューッと抱き締める。


