孝『かなで、どうする?』
奏『ど、どうしよう?ι』
春『でも俺らとは離ればなれにはならないんだろ?なら良いじゃん!』
絢『だから春はおバカなんだよ。』
春『Σえっ?ちょっ、何で?ι』
子供同士で好き勝手言い合う五人に伸はため息をつく。
伸『ハァ…ちょいと男共は黙らっしゃい。奏、難しく考えなくていいんだ。ただな?このままだとお前は親戚のおじさん達に引き取られてここから引っ越さないといけなくなる。お前、コイツらと離れたくないだろ?』
奏『うん。』
コクンと頷く奏に伸は安心するように笑った。
伸『なら、俺と一緒に暮らさないか?お前一人の面倒くらい見れるだけの余裕はあるから。』
奏『…いいの?』
伸『俺が言ってんだろ?気にすんな!』
スッと手を差し出し
伸『俺がお前の家族だ。奏!』
奏『はい!』
奏は伸の手を取った。
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奏「それが今から12年前のこと。それから私達は一緒に暮らしていたんだ。伸ちゃんは私の事を手探りだけど大切に育てて守ってくれた。私の両親はある会社の社長でね?物心つく頃には幼馴染みの家に転々と泊まらせられて、両親と過ごす時間が無かったの。
あの頃はそれが当たり前だと思っていたんだけど彼と一緒に居るようになって家族を知らない私に家族の温かさを教えてくれた。
けど…二年前に伸ちゃんは私を今の学園に無理矢理入れたの。」
た「それが今日言っていたウチの学園に入った理由ね?」
たまえの確認に頷く奏。


