伸『嫌な感じのガキだな。俺は海堂 伸。奏の両親とは知り合いでな。
……父ちゃん母ちゃんいなくなって、寂しいか?』
ポンッと奏の頭に手を乗せて目線を合わせ、少し複雑そうに顔を歪める伸に彼女は不思議そうに首を傾げる。
奏『寂しい?寂しい…って、どんな感じなの?』
伸は奏の言葉に絶句した。
伸『寂しいが分からないのか?お前、悲しくないのか?お前の両親ともう会えないんだぞ!?』
奏『? パパもママもいつも会えなかったもん。かなで、いつもみんなの家に泊まっていたからひとりぼっちじゃあなかったよ?』
伸『………(これが五歳の子供の言うことなのか?)
あ~、あのさ、さっきも言ったけどお前の両親とは知り合いでな。お前の事を俺が引き取りたいと思ってるンだが…どうだ?』
絢『アンタが?何で?ただの知り合いで普通、その子供を引き取るか?』
伸『………お前ら二人、ホントに五歳児か?ι言ってることが可愛くねぇ。』
ペシッとおでこを叩かれた智也と絢之はブーッと頬を膨らませた。
伸『俺はこの近くのマンションに一人で住んでる。だからコイツらと離ればなれにはならないぜ。お前さえ良ければ一緒に来ないか?』
智『言い方が犯罪っぽいよな。』
絢『なー?』
伸『マジで可愛くねぇ。』


