それから暫くして飽きた智也がキッチンに向かい夕飯の仕度を始めて、それを待つ間、千尋と春彦と絢之はゲーム。空腹の孝臣とたまえは智也を手伝おうとキッチンに行った。
奏「私も手伝うよ智くん。」
奏も当然キッチンの手伝いをしようと腕捲りすると待ったをかけられる。
智「奏、お前は疲れてんだろ。こっちはいいから少し休めよ。」
奏「えっ、でも智くんも私に付き合ったから疲れて…」
智「俺はお前より体力あんの。いいから座ってろ。」
有無を言わさないそれに苦笑して、頷く。
智「よし。ってな訳で神崎、アンタも座ってて良いぜ。アンタは一応、今日初めて招く客だし?奏の話し相手になってあげて。」
た「あら、智也って意外に紳士なのね。」
智「…意外で悪かったな。」
さっさと行けと言うように手を振る智也に軽く頭を下げる。
奏「じゃあ智くんの部屋で待ってるね。」
た「後お願いね~♪」
ヒラヒラと手を振り二階に上がって行く女子二人に男達は揃ってため息。
春「………話すかな?」
絢「どうだろうな?けどカナが無理してんのは皆も気付いてたろ?俺達じゃあアイツの本音を引き出せないだろうし。」
千「二年前の”アレ“で僕らのキレッぷりを見てあの子も中々、本音をぶつけてこなくなったもんね。まるで心配掛けたらまたあの時みたいにキレるって思ってるようだから。僕としてはたまえには話しても良いと思うけど。」
智「奏の懐きようなら話すかもな。」
孝「………(モグモグ)」
千・智・春・絢「Σって、何テメェ(お前)は一人食ってンだよ!?ιι」
孝「…そこに食べ物がある、から?」
あくまでマイペースな彼に周りが脱力。
千「全く、君は相変わらずだな。シリアスって言葉知ってる?ι」
孝「智也、おかわり。」
千「えっ、しかも無視!?」
智「………千尋、ドンマイ。
分かった。作る。作るからお前も大人しく座って待ってろ。じゃないと、作り終える前に全部食われそうだ。ι」
諦めたようにため息を溢し、智也はキッチンに引っ込んでいき孝臣はやはり一人マイペースにお菓子の袋を開けていた。


