た「ん?これ、四つ葉のクローバー?」
差し出させたそれを受けとると四つの葉を付けた小さな植物。
奏「子供の頃ね?よく遊んだ公園にクローバー畑があって懐かしくなっちゃってさっき探してたの。」
智「遅くなったのはそのせい。ほら、お前らのもあるんだよ。ったく、奏も頑固だよな。全員分見付けるんだ!って二時間も粘るんだから。」
そう言って智也からも四つ葉のクローバーを受けとる男四人。
孝・千・春・絢「……………ハァ。」
智「な、何だよ…」
じっとそれを見て、智也を見て、皆揃ってため息。
智也は訝しげに問うと
孝・千・春・絢「男から貰うのは気持ち悪い。」
ピキッ
智「………ふっふっふっ、そうか。そんなに嬉しいか。」
春「は?いや、だから気持ち悪いって…」
ガッシ!
智「そうかそうか。ならさらに嬉しい俺からのベーゼをプレゼントしちゃうぞ★」
春彦の頭を掴みぐぐっと唇を寄せる智也に春彦がその額に手を当ててそれ以上近付かないように押さえる。
春「嬉しくねぇ!止めろバカ!!ιι」
智「ハッハッハッー遠慮するなって★」
春「遠慮じゃねぇっての!ちょっ、コラ止めろマジで!お前ら見てねぇで助けろっての!!ι」
ブルブルとお互い押して押さえての攻防を繰り広げてる二人。
春彦は堪らず助けを求めるが…
奏「皆、何で目隠しするの?ι」
孝「目が、腐る、から?」
絢「腐るな。」
千「腐るね~」
春「Σ薄情者!ι」
他の者達は奏の目を隠し我関せずを保つようだ。
智「安心しろよ。お前らにも智くんのあっっつぅぅいベーゼをプレゼントしてやんよ★」
孝・千・絢「いらねぇ(いらない)!」
ぎゃいぎゃい騒ぐ男達の中から見かねて奏を取り出してたまえは隅により笑いを出来るだけ殺す。
た「クックッ…飽きないわねコイツら。」
奏「たまちゃんたまちゃん。ベーゼって何?」
た「……アンタは気にしなくて良いのよ。」
ベーゼの意味が分からない奏は皆がただじゃれているようにしか見えてない。
た「(ベーゼがフランス語でキスの意味だって知ったらこの純粋無垢はどんな反応するかしら?)
それにしてもお腹空いたわね。アンタ達いっつもどうしてんの?ご飯は。」
奏「智くんが作ってくれるの。ああ見えて料理スッゴク上手でね!私も手伝うけど殆どは智くんが一人で作っちゃうの。」
た「あー、だから春が勉強しなかったとき晩御飯の脅しを…ι」
人は見掛けによらないと、その言葉の意味を実感するたまえである。


