智「可能性はある。なんたってあの管理人は雇われの身だし、雇い主の伸さんに言われたらそう答えてもおかしくはない。」
絢「チッ、もしそうならやっぱ最低だな。あの野郎…奏の事、どう思っているんだよ。」
春「それは確かめようが無いけど、少なくとも今は会うつもりも話すつもりもないってことだろ?いくらなんでも奏が可哀想だよな。」
悲しげに顔を眇める五人。
た「全く大の男が揃いも揃ってなんて顔してんのよ。辛気くさいわね!」
しかしそんな男達に豪快に渇を入れるたまえ。
孝「神崎、うるさい。」
た「まぁ生意気言うのはこの口かしら?」
ビョ~ンと頬っぺたを摘まみ伸ばすたまえの笑顔が真っ黒で怖い。
孝「いひゃいほ。ひょへえ、ほもひゃ、ほのひはんはでほこにひひゃにょ?
(※痛いよ。それで、智也、この時間まで何処に居たの?)」
智「……神崎、孝臣の頬を摘ままないでやってくれ。何言ってるか分かるけど、分かるんだけど!普通に話してほしい。しかも分かる自分が何かヤダ。ιι」
春「……うん、分かるんだよね、付き合い長いから。でも確かにやめてあげて。緊張感も何もないから。」
絢「なんつーか…アンタも結構ちーちゃん並みにいいキャラしてんのな。俺らみたいな癖の強い連中に物怖じしない感じとか。」
千「絢ちゃん?それってさ僕にもたまえにも失礼じゃないの?」
何だかんだと言いながら息苦しさすら感じる先程までの空気は無くなり、皆が苦笑を浮かべる。
た「全く。アンタ達に付き合う奏が可哀想よ。……いや、案外あの子も曲者よね。」
奏「たまちゃんヒドーイ!私、皆よりは癖は強くないよ?」
洗面所から出てきた奏はたまえの腕に抱き付き唇を尖らせる。
しかしすぐに笑い、はいっ!と何かを差し出した。


