奏と智也が出ていってそろそろ二時間が経つ。


た「奏、帰ってこないね。」


千「たまえさんや、あんまり言わないであげて。」


時計を見上げながらポツリと呟くたまえの肩に手を置いて千尋が頼む。


た「ん?何で?」


当然、彼の言いたいことが分からずたまえはキョトンとして千尋を見る。


千「ほら、そっちの三人が気にして気にして、さっきから落ち着かないみたい。」


たまえは言われて残った三人を見る。


た「わっかりやすいっつーか…なんつーか…ι」


春彦はケータイを見詰め連絡が来ないかと落ち着かないし、絢之は玄関から部屋を行ったり来たり。孝臣はポリポリとお菓子を食べているがいつもより断然遅い。


千「この子達は奏の事となると余裕ないからね。見てて飽きないっしょ?それよりゲームする?」


た「いや、飽きないけどさ。逆にアンタは余裕あるわよね。奏の事心配じゃないの?」


千「心配は心配だけど、智也が一緒だし変に気にしてたら奏の方が申し訳無いって謝っちゃうでしょ?」


確かに。とたまえが頷き千尋に習い、コントローラーを握る。


た「あの子は自分の心配はスッゴク嫌がるもんね。あれかな?幼馴染みの過剰な心配がそうさせちゃうの?」


春・絢・孝「違う!」


た「Σうわっ!?ιιビ、ビックリした。おっきな声出さないでよね!?」


即座に否定する三人に思わずコントローラーを床に落とす。