それから一時間近くたっただろうか。
春「つっっっかれたぁぁぁ…ιι」
奏「お疲れ様でした春くん。でも、これでこの問題は完璧ね?」
智くんに指定された場所まで問題を進めて、予習も終えた春くんは机にべったりと貼り付いていた。
春「おー、マジサンキュー奏!お前のお陰で今日の飯にありつけれるぜ。」
奏「大袈裟だよ春くん。でも智くんの作るご飯美味しいもんね!必死になるのも分かるよ。」
コンコン
カチャ
た「オーイ、ジュース持ってきたよ?休憩しない?」
春「おっ、グッドタイミング!丁度今終わったとこなんだよ♪」
奏「たまちゃん何か遅かったね?皆は何してるの?」
机を片付けながら問うと、たまちゃんはミニテーブルにジュースに何個かお菓子を添える。
た「よく分かんないんだけどさ、孝臣ともう一人の絢之って子だっけ?二人が入ってくるなり智也と千尋連れて他の部屋に籠っちゃって。
一人残されて私はどうすれば良いのよ!?って感じだし、そのくせ千尋が「春の集中力なんてどうせ一時間位が限度だからその時にジュース持っていってあげて」って指示するし。私ちょっと暇だったよ。」
もー!と不機嫌に唇を尖らせるたまちゃんに何も返せない。
奏「…何か、あったのかな?」
春「そうなんじゃないか?アイツらは客が居るのに一人ぼっちにするなんて今まで無かったし。皆が集まるとなると大抵良くないことだからな。」
た「そうなの?」
キョトンと首を傾げるたまちゃんに頷きジュースに手を伸ばす。
奏「どうしたんだろう……」
不安になり、小さく呟くもたまちゃんには聞こえてたようで優しく頭を撫でられる。
た「幼馴染みってのも厄介なもんね。お互いの事をよく知るだけに、そうやって不安になっちゃうんだから。」
春「確かに。たまえ、アイツら何か言ってた?」
ジュゥゥとストローでジュースを飲む春くんにたまちゃんはんー、と考え
た「ちょっと聴こえたのは、”海堂 伸“がどうのこうのって…」
奏・春「Σ!?!?ιι」
ギョッとして目を見開く。春くんも同じ顔だろう。


