奏side
臣くんと二人で怒声が聞こえた方へ向かうと、小さく人だかりが出来ていてその中心に見覚えのある背中があった。どうやら目の前の相手と言い争っているようだが、その相手が見えない。
奏「臣くん、やっぱり絢ちゃん喧嘩してるの?」
孝「ん、みたい。あれはいつ手が出るかな。」
奏「Σえっ!?ιた、大変、止めないと!絢ちゃーん!」
のんびりと臣くんがとんでもないことを言うので慌てて大きな声を出し、止めようとする。
…が
こんなに人が居れば大声を出すと注目されるのは必須で、私はその場に居た殆どの人に見られてしまった。
奏「あ…えっ…と…///ιι」
注目され恥ずかしく思わず臣くんの後ろに隠れる。
しかし今ので彼はこちらに気付いたようだった。
絢「えっ、カナ!?ιそれにオミまで何で居んの!?ιι」
声をあげたのは先程まで怒鳴っていた少年。それにより、この場に居た野次馬は事態が収拾すると判断したのか散り散りになり、その場に残ったのは私と臣くん、そして絢ちゃんこと、本田 絢之(アヤノ)くんとその喧嘩相手だけとなった。しかし絢ちゃんの後ろにいるので私から相手の姿は見えない。


