一方、連れ去られた奏は…
奏「やっ!離して!」
桜「先輩おとなしくしていてください。じゃないと僕、先輩に酷いことしちゃうからさ。」
ある場所で桜野に両手を頭の上で一纏めにされ、床に押し倒されていた。
奏「やだやだやだ!お願い…離してよ!」
上に乗る桜野からどうにか逃げようと足をばたつかせ、体を捻り抵抗するも体力の落ちた今の奏には到底無理な話である。
それ以前に男女の力の差で無理であるが。
桜「アッハ!何?泣きそうだね先輩!怖い?ねぇ僕が怖いの?可愛いねぇ。」
ケラケラと笑う桜野の顔は狂喜していた。その間にも制服のネクタイを取った彼は、そのまま奏の両手首を纏めて縛る。
奏「痛っ…何…で…こんな…事…」
桜「何で?ん~何でかわかんないかな?僕さぁ去年から先輩の事見てたんだよね。気付いてた?あっ、気付いてたよね~だって先輩、僕と二人っきりにはなりたがらなかったもんね?」
それに奏は唇を噛む。奏は桜野が少し怖かった。写真部の後輩として接してきたが、二人っきりになるとやたらと近付いてくるし、奏を見詰める視線がまるで全身を舐められてるように感じたから。
先程のように他に誰かが居ればそんな事は思わないから桜野が写真の事で聞きたいことがあるといわれても孝臣達も一緒なら大丈夫だと思って了承したのである。
奏「貴方は、私が嫌い、なの?」
奏の一言にキョトンとして桜野は次の瞬間には笑う。
桜「アッハハハ!馬鹿だな先輩!僕は先輩の事がだぁい好きなんですよ?」
奏「好き…?」
桜野は奏の腕を押さえたまま顔を近付ける。
桜「そう。だぁい好き。だからアンタが孤立するようにあの写真を全部の教室に貼ったんだよ?」
そっと唇を人指し指で撫でると奏はビクリと身体を震わせて、それを避けるように首を振る。


