翌朝、奏はノロノロと着替え、身仕度を済ませるとたまえと女子寮を出た。


た「奏?大丈夫?今日はなんだか元気ないよ?」


奏「うん、大丈夫だけど今日でしょ?今までの記録を流すの。なんだか騙してたみたいで心苦しいと言うか…」


それにたまえはずっこける。


た「あっきれた!そんなこと気にしてんの!?ιアンタの方が被害者なんだから心苦しいなんて思う必要ないでしょ!」


奏「だって、たまちゃん…」


た「だってもへちまも無いの!!(怒)」


流石に怒ると奏は苦笑して『ごめんね?』と言う。


千「そーいえば僕、奏が怒ったとこ見たこと無いかも。」


た「Σきゃっ!?ιち、千尋!?ι急に出てこないでよ~ビックリした~ι」


いきなり二人の間から顔を出した千尋にたまえは仰け反り驚く。


奏「お、おはよ臣くん。いきなり抱き締めるのはやめて?ι」


孝「おはよ奏。でもこれは俺の特権だからヤダ。」


見ると奏は孝臣の腕の中で苦笑していた。どうやらたまえが千尋に驚いていた時に孝臣に捕まったようだ。


千「ねぇねぇ、そこんとこどーなの?孝臣は奏の怒ったとこ見たことある?」


た「そりゃ、幼馴染みならあるでしょ?ι」


千尋の質問にたまえは呆れて二人を見る。孝臣は顎に手を当てて考えるが小首を傾げるだけだ。


た「えっ、無いの?ι」


孝「奏は基本は拗ねるだけだから。怒ることはないかな?」


奏「そう?」


千「となると、奏が怒るということはよっぽどの事がないと駄目なのかな?」


孝「ん、そうかもね。でも、オススメはしないよ?」


た「何で?あ、いや、別に怒られたい願望があるわけじゃあ無いんだけどさ。」


たまえの疑問に孝臣は微妙な顔だ。


孝「余計な詮索は命取りだよ?」


た・千「ナニソレ?ιチョー微妙。ι」


孝臣の言わんとすることがわからず小首を傾げる二人と同じように奏も理解していないようだ。


奏「臣くん、どうゆうこと?」


孝「今回の件で奏の限界がとっくに過ぎていたら、その疑問も解決してたかもね。その分、俺達は危なかったけど。」


意味深な言葉だが全く分からない。