四つ葉のクローバー 幸福は誰の手に



伸「わかった。取り敢えずは今の現状を打破する事を優先させるしかないようだな。何時にやるつもりだ?」


智『朝から各教室のテレビに流すよ。んで、体育館に集めて俺達と奏がどうゆう関係か話す。だから朝の8時30分に来てくれ。』


伸「りょーかい。あっ、つか奏は何て言ってたんだ?」


智『桜野については話してないけど、それ以外は渋りながらも頷いたって。全く、お馬鹿なんだよね奏は。自分を傷付けた奴らを庇おうとするなんてさ。』


伸「……確かにアイツは馬鹿が付くほどのお人好しだ。けど、それが奏の魅力の一つ、だろ?」


智『おぉ、犯罪くさい発言。』


伸「初めて会ったときもそんなこと言ってたなお前。ι」


智『アンタって存在が卑猥だよね。』


伸「どーゆう意味だコラ。シメるぞガキ(怒)」


智『きゃーコワーイ!!』←棒読み


完全におちょくってる気配に伸は脱力。


伸「お前ね、俺で遊んでんな?ι」


智『あぁ、アンタ馬鹿だけど阿呆じゃないもんね。春ならこれでもっと遊べるのに。……チッ』


伸「待て、今小さく舌打ちしやがったろ。あと、馬鹿って何だ。失礼なやつだな。」


智『目敏いなぁ。それに1度奏を泣かしたアンタは馬鹿だよ、バーカ。』


伸「………まぁ、否定はしない。」


素直に認めると電話越しにため息が聞こえた。


智『アンタのそーゆー自分の非を素直に認めるとこ、俺は嫌いじゃねぇぜ。けどなぁ、アンタは奏の事をどうしたいんだ?奏とはもう一緒にいることは無いのか?』


伸「………もうお前らはガキじゃねぇ。17歳なら進路やらなんやらも決めてきてるだろ?その大事な時期に二年間放置した人間とまた一緒に居たいか?」


智『奏の考えはわからねぇが、俺が聞いてんのはアンタの本音だ。もう一度聞く。アンタは奏の事をどうしたいんだ?』


伸「………………話がそれだけならもう切る。これでも仕事中だからな。明日の為に今日中に終わらせなくちゃいけないからよ。」


智『あっ、ちょっ、伸さ…』

プツッ


伸は答えられなかった。


伸「(どうしたい…そんなの、俺が聞きてぇよ…)……ハァ、ひとまずは仕事を片付けねぇと。」


目頭を押さえ意味もなく唸る。奏とのことはきっとこの先もアイツらから言われるだろう。今はそれに答えられるだけの覚悟もない自分に腹が立つ。


伸「でも、答えを出さないと…いつまでも逃げていられないんだよな。」


ギッと背凭れを鳴らし姿勢を正して机に向かい仕事を再開。


明日には全てが終わることを信じて。