絢「カナは誰かが見てないと倒れちまうまで我慢するおバカだからな。
あ~…つか用件はコレじゃなくてさ、ちーちゃんは知ってる?カナの味方する一年のガキの事。」
千『一年のガキ?何それ、初めて聞きますが?』
絢「ちーちゃんも知らねぇの?いや、今日さカナにこれまでの事を問い詰めたら、ソイツだけは噂を真に受けなかったって。同じ写真部の後輩なんだと。」
千『写真部の?奏が僕らに言わないなんて珍しくない?』
絢「だから怪しいんだよね。この状況で苛められてる人間を味方するなんて。カナに好意を寄せている、とかならまだわかるんだけど……それ以外だったら心配だし。」
千『そりゃそーかもしれないけど…流石に心配し過ぎなんじゃない?』
絢「…かもしんねぇな。けど、その方が俺達は安心できるから。カナは俺達にとって妹で大切な護る存在だからな。特にオミにとってはそれ以上だから……どんなことをしても、護りたい。」
確固たる意思の込められた声を電話越しでも感じ取り、千尋はクスッと笑う。
千『まぁ確かに気持ちは分かるよ。つまり、絢乃が僕に頼みたいことはその一年の事を調べればいいのね?』
絢「うん、そう。オミもカナで手が一杯だろうし、たまえは同じ女として傍に置いておきたいから調べるのは実質、ちーちゃんだけなんだけど…頼める?」
千『オッケー♪今ちょうど学校に来てるし先生達に取り敢えず聞いてみるよ。名前も顔もクラスもわからないんじゃ調べようにも出来ないし。』
絢「ん、頼むわ。
あっ!そーだ♪お礼にちーちゃんとデートしてあ・げ・る♪もちろんAYANOで♪」
千『え~?何それ、寧ろ嫌がらせじゃない?(笑)』
絢「あら失礼ね!私とデートしたいって言うイケメン芸能人はたっくさぁぁんいるのよ?」
わざと怒ったように言うと電話越しで笑う千尋の気配。
千『ハハッ、なら誘われてみようか。それこそ皆が行ってきた遊園地にたまえと伸さんも誘って、8人で行こうよ。』
絢「えぇ~?アイツ誘うの?まっ、カナがいいならいいけど…
あっ、そうだ!その時の写真あるんだぜ!見たくない?」
千『え、見た~い♪持ってきてよ!』
絢「了解!今度そっちに行くとき持ってくわ。じゃあ、一年のガキの件、頼むね~♪」
千『はいは~い。』
ピッと通話を切り、フゥとため息。
絢「ちーちゃんに頼めばオミの負担もこれで軽くなんだろう。さってと写真写真~♪」
パタパタと写真のデータが入っているパソコンに向かう。
絢「こんときはカナが撮ったんじゃないからなぁ~…下手っちゃあ下手なんだが、俺達だってなかなか良いの撮れてんじゃね?」
カチッカチッとマウスを動かしていると、僅かに違和感を感じた絢乃。


