た「奏、先生に外泊届け出しといたよ。」


奏「あ、はい。じゃあ行こっか?」


た「はいはーい。鍵持って~。」


二人で鍵を持って部屋を出る。


女子寮の玄関に向かうとちーちゃんがニコニコ笑いながら手を振っていた。


千「おーい二人とも早く行くよ~!」


孝「ん、ふわぁぁ…来たの?」


その隣で臣くんはやっぱり眠そうにしている。


奏「うん、おまたせ!」


私が駆け寄るとちーちゃんは頭を撫でてくれた。


千「うん、じゃあ行こっか?」


た「奏、転ばないようにね?」


奏「私、そこまで子供じゃな~い!」


プクッと膨れるとたまちゃんにプシュッと潰される。


た「プッ、潰れた。(笑)」


奏「たまちゃ~ん(泣)」


四人並んで校門を出て歩く。


孝「奏、今日はどこで、撮る、の?」


のんびりと臣くんが聞いてきた。


奏「ん、と…駅前で撮りたいんだ。いいかな?」


孝「良いよ。じゃあそこまで皆、一緒だね。」


カメラを構え臣くんを窺えば優しく笑ってくれた。


臣くんはマイペースな見た目にそぐわず、騒音が苦手だ。


いや、少し例外はあるが…


とにかく、そうゆうのより自然溢れる場所を好むし、ある意味閉鎖空間である寮生活も嫌いではないらしい。


だから人の多い駅前で写真を撮りたいと言って大丈夫だろうかと不安だった。