画面には小さな少年が立っていた

真夜中だぞ…

「はい…」

「はじめまして…お父さん…」







画面に向かってニヤリと笑うその顔に、俺は驚愕した…



俺が演技で見せる笑い方によく似ている…


「満月の子供…?」


俺は慌ててエントランスの入口を開ける

少年は落ち着いて最上階までやって来た


その肌の色、髪の色素の薄い美しい作り…まさに満月だった…

しかし、彼の作る表情は自分によく似ていて、瞳の色は鮮やかな茶色をしていた

「はじめまして」

「はじめまして」

「お父さんですね?」

「ああ…おいで」

俺は居間に案内し、ジュースを準備する

しかし、彼に出す手は大きく震えた

「よく来たな…お前達の事はいつも心配していた。」

少年はニコリと笑いながらグラスに口をつける

自分を見ているようで少し不気味だ…

「満月は…どうしてる?元気にしてるか?」

やっと搾り出したその言葉を、彼にぶつけた


「…母は…」


俺は生唾を飲み込んだ






「母は僕を産んで死にました」