「えぇ?でも…37度8分って…
結構高いじゃない。
それに…お昼になったら上がってくることも多いし…」
「でも…、朝練行かないといけないし、
授業もあるし…。
大丈夫!マスクはして行くから!」
お母さんは「そう?」とか「でも」とか言ってたけど
しぶしぶ学校に行かせてくれた。
いつもと同じように早い電車に乗って
学校に近い駅で降りて、
歩いて紗季と一緒に朝練に向かう。
「おはよー!由衣!
あれ?風邪?」
…いや、風邪っていうか、熱があるだけなんだけど…
とは言わず、
「う~ん…ちょっとだけ。
あ。でも全然大丈夫だからさ!」
「そっかぁ。軽くてよかったね。」
ふぅ。熱があるなんて見破られないようにしないと…。
みんなに心配かけちゃうしね。


