素直じゃないけど




「あ、ちょっとごめんね?」


昨日のこと、藤田君に一応謝らないと。


私は少し綾乃の側を離れて
藤田君のところへ行った。


当たり前だけど、藤田君も浴衣を着ていて
ちょっと心臓がドキッとした。


「藤田君。」


「何?」


う、ちょっとかっこよく見えてしまう。。。
やっぱいつもと違うから?
これが何とかマジックとかいうやつ?


…じゃなくて!


「あの、昨日の電話…ごめんね、
いつの間にか寝ちゃってて…」


「…いーよ、別に。」


そういうわりには藤田君は私と目を合わさないようにか
下をむいていて、顔が少し赤い。


…機嫌が悪い?


…ってことは…やっぱり怒ってる!?


うわぁぁぁっっ


「ほ、ほんとにごめんなさい!じゃあ!」


「は?…おいっ!」



とりあえず私は逃げるように
その場を去った。