素直じゃないけど




え、でも紙が置いてあるのにって…勝手に呆れられてるけど


「あ~…、いや、私 紙取りに行ってないや」



「は?」


キョトンとした顔の藤田くん。すると



「あ!あたし!あたしが
この2人の分も取りにいったから」



あ、紗季帰ってきてたんだ。


ちゃっかり席についてるし。



いや、藤田君の席に紙があるんだったら
そりゃ取ってくるのも早いはずだね。


ていうかそれより…


「真面目に仕事してたんだね。」


「おい…ひどくねぇか?
そう言うお前だって真面目に仕事してるじゃねーか」


「そ そりゃあ 私、前日準備のときは
吹部の練習あって出来ないから…
今のうちに何か出来たらなって
思った、だけ。」





「ふーん」


えっ…



あれ?…




いつもどおり意地悪な顔されると思ったのに



そう言う藤田君の顔が
いつもよりちょっと
優しい笑顔だったから、、、
なんか…目をそらしてしまった…