素直じゃないけど





私は自分の練習していた階段の上に戻った。


そして練習を再開しようと不意に時計の方を見てみると…


うわっ!そういやもうちょっとで合奏の時間だ…!


音楽室戻らないとっ!!


しかも葵もういないしっっ


さては…置いていったな…
全く、薄情なやつだ。


そして、もうひとつの問題に気付いた。



ちょっと待って…


…私の楽譜が無い…!!



まさか風で飛ばされた?


……


…他人の心配をする前に自分の心配をしとけば良かった…


とはまさにこのことだ。


時間も無いのに…!


慌てて辺りを見回していると




「菊池。」


どこからかそんな声が聞こえた。




?だれ?ちょっと私、今ピンチなんだけど。


と思ったら目の前には私の楽譜。


え?何で何で?

頭の中で?が回る。


バッと顔をあげてみると…


…えぇ!?


私はそこにいた人物を見て驚いた。



「藤田君!?何でこれをっ!?てか何でいるの?」