素直じゃないけど




「おい、お前ら
道、通りたいやついるんだから
ちょっとあけろ」


私のふと後ろで声が聞こえた。


え…誰?



「おう、藤田
お前どこにいたんだよ」


1人のバスケ部員が
道をあけながら言った。


「別に。」


藤田って呼ばれた人は男子バスケ部の人なんだろうか。同じユニフォームらしいものを着ていた。




そして、いつの間にか私の前にいて
そのバスケ部員と話をしている。


……てか、あれ?



藤田って何か聞いたことが
ある気がするような。



「通れば?」


…あ


やっぱり私たちのために
言ってくれたのかな?


「…あ、ありがと。」



振り返った藤田って人の顔にも
見覚えがあったけど
思い出せないしまぁいいや。




そう思って考えるのをやめると、

私たちはそのまま
音楽室へと向かった。