…それから待つ事約30分。

キッチンからいい匂いが漂ってきて、

お腹の虫が騒ぎだした。


「お待たせしてすみません」

そう言って出てきたのは、真っ白なフリル付きの

エプロンをつけた男が見たら、思わず萌えてしまいそうな、

可愛い薫子の姿だった。

両手のお盆の上には、和食が並んでいた。


それをゆっくりテーブルの上に置き、

「お口に合うかわかりませんけど、どうぞ」

「美味そうだな」


俺の言葉に、ほんのり頬が赤くなった。


・・・薫子に見守られ、少し食べにくかったが、

それを口にする。


「…美味い」

「ホントですか?!よかった」

俺の言葉に満面の笑みを見せる薫子。

普段から料理をしているのだろう。

本当に美味しくて、ずっと見られている事を

忘れてしまう程だった。


「料理は毎日してるのか?」

「はい。お昼は社食ですけど、朝食と夕飯は

自炊してるんです。毎日やってないと、腕が鈍りそうだし」

薫子はそう言ってペロッと舌を出した。

その顔に思わず微笑んでしまう。