今よりずっと

「煙草の匂い嫌いだったらちょっと我慢して」



「全然大丈夫です」



「なら良かった」

改めて見ても、ピアスは軟骨までたくさんある。
カチコチに固まった髪の毛は毎朝セットしてるのかな?


「なに?」



「いや、なんでもないです」



「見とれた?」


なんて言いながら笑っている楡井先輩。

怒ってはいないみたい


「かっこいいと思います」


「冗談冗談っ」



「あ、冗談ですか」



「先輩だからって無理しなくていーんだからな?溝はカチコチし過ぎ」



「あの、美術室の壁を蹴っちゃった時大丈夫でしたか?」



「あぁー、ビクッたけどな」



「まさか、楡井先輩達がいるとは思わなかったので…」



「気にしてねぇから」



「良かった…」



「公輝とかは可愛いって言ってたからな」



「公輝さんって川野先輩ですか?」



「そうそう。溝は気に入られたな」

楡井先輩は笑ってるけど嘘だろう

壁を蹴ってお気に入りになるわけない。