近くにいたであろう男も、丁度タクシーに乗って出て行っていたので、真相はわからないままこの日は終わる。



次回の青年会で会う可能性があったので、とりあえずこの場は帰ることにした。



しかし、帰りのタクシーの中で、義之は鼓動が早くなっていった。何の確証も無いが、あれは響子だと感じていた。




「まさか、こんな所で・・・。」



義之は、驚きと喜びで溢れていた。



とにかく、次回の青年会は欠席しないように、仕事を早めに終わらせるよう努力するなど、精力的に仕事をした。



獅子奮迅の働きをする義之。



その結果、本社から認められ、本社に配置転換する事が決まった。



日本に戻る時期は、仕事のキリが良い所となっていたので、義之のさじ加減次第だった。



勿論、青年会が終わるまで帰る気は無かった。