それを知った義之は、途方に暮れる…



唯一の手掛かりである卒業アルバムから何も情報が得られず頓挫した。



こういう運命なのか・・・。



一旦諦めるしか無かった。



いや正確には、連絡取れそうな女子を見つけてもらうなど、手がないわけではない。



しかし、友達の手間や、響子への強い思いを知られるのが恥ずかしかった義之は一旦諦める。



そのうち、響子に会ってお礼が言いたいという思いだけが残り、社会人になっていた。



大学時代に、幾つか恋をしたが、響子に恋した時ほど燃えるものがなかった。



いつか小学校の同窓会が開かれ、そこで再会する事を夢見ていた。



義之が勤める会社は、中小企業で、工場を中国に構えている。その中国の工場に異動になった。