「俺好きな子いるから」



一言しか聞こえなかったけど誰かは分かる。




教室に入ってくるような音がしたので私は寝たふりをした。





音でしか判断できないけど涼くんがこっちに近づいてくる。





鞄をとりに来たのだろうと思っていたけど、起こされたからびっくりして立ち上がってしまった。






「なんだ。起きてたのかよ」




そう言われて私はつい言ってしまった。





「起きてるよ。さっきの告白なんで断ったの?」




私は言ってしまった!と思ったけどもう取り消せない。





「聞いてたのかよ。好きなヤツがいるからだよ。」





涼くんは少し照れながらそう言った。






「そっか」



照れてる涼くんは初めて見れたけど私のことじゃないと思うと心が痛い。





「家まで送ってやるよ。」




涼くんはそう言うと私の鞄を持って教室を出た。