涼くんがノートの切れ端を私の机に置いた。




今は、3時間目。




私の嫌いな数学の授業中。






なんだろうと思い、切れ端を開くと




<昼休み学校案内しろ。>




と、一言だけ書いてあった。





えぇ〜。嫌だよ。





と誰にも聞こえないぐらいの小さい声でそう呟きながら私は返事を書いた。




<いいよ。>




あれ?こんなこと書くつもりじゃなかったのに。





書き直そうと消しゴムを手に取ると、涼くんが切れ端を机から取った。





あぁー。どうしよう。約束しちゃったじゃん。




「昼飯は屋上で食べるから、こいよ。」




涼くんは私の耳の近くでそう囁いた。





私はびっくりしたのと、ドキドキで授業に全然集中できなかった。