そうしているうちに、時計を見ると、20時前だった。
「もう、帰らないと!」
私は少し焦った声で言った。
「じゃあ、送って行く」
と、少しぶっきらぼうにそう言った。
「いいよ。すぐそこだし」
と、私は指差しながらそう言った。
「俺も、その近くだから。」
と、涼くんは私と同じ方向を指差した。
結局、送ってもらった。
「ありがとね」
と、私は少し小さめの声でそう言った。
私、お礼言うの苦手なんだよね〜。
「おう。ちなみに俺の家はこの隣だから。」
と、涼くんは言った。
なんか、偶然が重なりすぎじゃない?
クラスも同じになったり、しないよね…
「そうなんだ。」
そんなことを考えながら私はそう言った。
「あ。女除けに彼女のふりしてくれない?」
といたずらな顔で、涼くんが言った。
「な、なるわけないし」
と私は顔を真っ赤にしてそう言った。
いきなりそんなこといったら、びっくりするじゃん。
「嘘だよ」
と、言いながら涼くんは私を抱きしめてきた。
「え?」
私は全然頭がついていかない。
「じゃあな」
そう言って涼くんは、私をパッと離すと家に走って帰った。
