白とは、平和とか、暖かい気候とか、炎とか、

人が暖かいと感じるもののこと。




黒とは、戦争とか、寒い気候とか、氷とか、

人が寒いと感じるもののこと。



互いがあるから、互いがあるのです。



白と黒は常に天秤にのっているように同じくらいあるのです。


白音様の読まれた本にも書かれていたでしょう?
黒き力を黒薔薇に、白き力を白薔薇に、と、禁忌とは、もともとのこの世界で混ざり合っていたものを強制的に分けたことです。」


このように、とアナリバはまたくるりと杖を振り、魔法を唱えた。

すると、小さな雲ができ、ジョウロの水のような雨を降らせた。


「もともとこの世界では、このように天候を作り出すことは出来ません。
すべて自然に任せるのです。
そういった自然が行うはずのことを魔法を生み出し、人々が行うことも禁忌だったのでしょう。」



「アナリバ老師、禁忌が何かはよく分かったわ、でも何故初代の王が禁忌を犯したのかがわからないわ。」