広い広い庭園。

白薔薇の庭園よりも肌寒いけれど

様々なカラフルな花たち、
赤い薔薇、白い薔薇、黒い薔薇、

ピンクのコスモス、パンジー……

いつもいつも本や写真しか見たことのない者が広がっている。



宮廷という狭い場所にしかいなかった白音にとってとても魅力あふれる場所


とても暗いけれど何故か気持ちは暖かい。
金色と銀色のような白音の髪が輝いた






ピィっパサパサっ!




「あ、……小鳥さん?」


白音を横切り噴水の方へと羽ばたく小さな影。

よく見覚えのあるシルバーグレーの羽


無意識のうちに、小鳥を追いかけて噴水の場所まで走る。



大きなモノクロのデザインの噴水
白薔薇と黒薔薇の模様が掘ってある


小鳥の飛んでいった先を見つめる。






そこには一つの黒い影