「このままだと、黒と白のバランスが悪くなってしまうかもしれない。」


しばらくうずくまっていたが、
急にすっと立ち上がった。
白音の瞳は真っ赤に染まっていて、



「白音様………」


不安気に見つめるアナリバを背に、
力を込め始めた。

みるみるうちに、白音のまわりが明るくなり始めた。



「…………様………い様」



その真っ赤な瞳から大粒の涙が流れ出す。
空の色がいつものように明るくなった。



白音は白薔薇の姫、おそらくなにが起こったのかわかったのであろうと、アナリバは感じた。