その瞳は赤に近い黒色だった。



「初代の王……か、もうだいぶ昔の事ね、その頃から貴方たちは私たちを守っているの?


白薔薇の騎士カシベルよ。」

美しい白いドレスをきた少女はカシベルの方をじっと見ている。



「その通りでございます。姫

私たち白薔薇の騎士はこの世界に魔法が生み出されてから

長きにわたり、白薔薇様をお守りする使命を頂いております。」


その場にひざまずき真っ黒な瞳を少女に向ける。



「そうなのね……貴方もたいへんね、私と同じぐらいの年なのに。」


カシベルの目の前に立ち優しく微笑んだ。


「姫だって日頃から大変なはずです。今からまた魔法のお稽古でしょう?」


「えぇ、午後からはそうなっているわね。でももう慣れたもの

今からカシベルは雪子のところに行くの?」

さっきまでの大人しそうな少女は何処へやら、ニヤッと意地悪く微笑んだ。