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もうだいぶ歩いた。
昼間とは変わり大人の世界が
わたしを包む。
「いや、やめて!離して…」
奈々が男達に車に乗せられそうに
なっている。そんな状況なのに
周りの大人はミテミヌフリ。

「奈々!」
気が付けばあたしは
奈々のところに走っていた。
「へ〜君も可愛いね〜
一緒に遊ぶ?」
そう言って男が車から顔を出した。
「奈々を返して!」
怖い。でも奈々を助けなきゃ…
震える声がバレないように
こぶしに力を入れる。
「行くぞ」
運転手の男はそう言って
車を出した。ーーーー