涼平が腕を組んで考える。
「リビングはハカセの寝床だし…大広間は修行で使うし、物で溢れてますしね…」


「俺、彼女んちから通いますよ。割と近いし。修行だけ参加すりゃいいっしょ?」

鈴木のその言葉に、ハカセが怒鳴った。


「勝手にしろ!女ばっかりにうつつを抜かしやがって!そのベルトはなぁ…!肌を焼くためにあるんじゃないんだよ!この世界を救うために……」

「知らねェよ!俺だって世界を救う目的でこのベルト買った訳じゃねェし!たまたま使ったら紫外線と赤外線が出ただけだし!
いちいちそっちの都合に合わせんのも面倒臭ぇんだよ!」


「…ならお前にはもう頼まん!」

ハカセがそう言うと、

「チッ!」

鈴木は舌打ちしてどこかへ行ってしまった。


「ちょっと!ハカセ!せっかく戻ってきたのに」

「そうですよ」



「…知らん」




ハカセもレッドも強情だった。


「…でも、彼には恐ろしい能力だって秘めてるんですよね?」

「……」

俺の問いに、ハカセは何も答えなかった。



「放っておいていいんですか?」


「……」



「…捜してきます!」

俺はハカセの答えを聞く前に、鈴木の向かった方向へ走った。