「帰ってきても、お前に部屋はないぞ」

何故だかハカセはレッドに対して冷たい。あんなに呼び戻そうとしていたのに、どうしたのだろう。


「えー。じゃあ俺帰ろっかなぁ~」

髪をいじりながら、レッドが後ろを向く。

「勝手にしろ!」


「ハカセ!何言ってんのよ!」

桃子さんが止める。

そうだよ。せっかく戻ってきたのに。


「涼平の部屋に男3人か…」
と、ハカセが言った。


「えー!?」

3人はキツイ。3人は無理だって。六畳だもん。


「3人はきついっすよ。桃子さんの部屋なら、9.5畳もあるじゃないっすか」
と、涼平が言った。

そんなに広いんだ…。


「えー。アタシんとこぉ~?」

桃子さんの頬が桃色になっていく。なんで満更でもなさそうなんだ?


「俺、女いるから、桃子ちゃんの部屋は無理っすよ…」

鈴木は女がいるのか、羨ましい。あのルックスだもんな。そりゃいるよな。ていうか桃子さんとの相部屋を断るなんて…あり得ん。


「彼女…出来たんだ…?」

桃子さんは少しショックを受けてる…?


「うん。一昨日出来たんだよね」

「さっすが大ちゃん。手が早いな~」

「そんなに褒めんなよ~」


「…でも、一緒に住まないと、ねぇ」
と、桃子さんがハカセを見た。

「……」

ハカセは無言だ。


「あ、じゃあ俺が桃子さんの部屋に行って、鈴木さんが涼平と一緒とかは…?」
と、言ってみた。

「えー」

桃子さんの嫌そうな声が返ってきた。嫌なんだ。俺じゃダメなんだな。わかります。