「俺も力を貸します。力を合わせれば、大丈夫ですから」


涼平君…。

桃子さんと涼平君の、そんなにこの計画には関係のない能力の二人が、自分の命を懸けて戦おうとしているんだ。
この計画で重要な能力を持っている俺が、逃げ腰でどうするんだ。



「俺に……出来ますかね?」

俺の問いに、三人は頷いた。


「もちろん!」

「出来るとも!君は今日からガウレンジャーなんだから!」


ハカセがそう言ったが、何だ?

「ガウレンジャーって?」



「ガウベルトを巻いたヒーローのことだ!名付けてガウレンジャー!」


「ガウレンジャー……俺が……ヒーロー」

まさか自分がヒーローになるなんて、夢にも思わなかった。


「頑張ろうね!ブラック!」

桃子さんが、笑顔でそう言ってくれた。やっぱり…彼女は笑っている顔の方がいい。


「さてと、新入りのブラックにも名前を付けないとな」

ハカセがそう言って、黒のガウベルトを俺に渡した。
名前を…付ける?


「ハカセが名前を付けてくれるんですよ」
と、涼平がニコニコしている。


「ガウレッドや、ガウピンクじゃ、普通過ぎてつまらんだろ?それに敵にバレ易い。だから、コードネームで呼び合うんだ。ちなみに、桃子君は…ピンキィエンジェル!」


「ちょっと恥ずかしいけどね。……ピンキィエンジェルって歳でもないし」

そう言った桃子さんの頬も、心なしか桃色になっている。
可愛い…。


「可愛いじゃないっすか」


「可愛くないわよ!」

否定する姿もやっぱりいいな。


「涼平君は?」

涼平のコードネームはなんなんだろ?


「ソウルクリームっす」


……意外にも格好いい事に驚く。腰からクリームを出すヒーローにしては、格好いい名前だ。


「へぇ。いいね」