「ここです…。この山の中にぽつんとある物体」

涼平が指した物体は銀色の丸い球体だった。

「これは…もしかして…宇宙船!?」

俺がそう言うと、ハカセが画面を覗き込んだ。


「ハカセ…これ、敵の宇宙船ですか?」

ハカセは画面を食い入るように見つめた後、こう答えた。

「うむ……わからん」

全員がコケそうになった。

「ハカセがわかんなきゃ誰もわかんないでしょーが!」
と、桃子さんが言った。

「わからんがな、宇宙船なのは間違いない。私の乗っていたやつなのか…敵のなのか…」

「ということは、ハカセの宇宙船も丸型…?」

「ああ。もっとズームできないのか?」

「これが限界です」

ハカセはそれを聞くと、何かを思い出したかのようにこう言った。

「この付近にもう一台宇宙船は落ちていないか?私と奴らは同じような場所に不時着したはずなんだ!」


ハカセの言葉を頼りに、もう一つの丸い物体を捜す。

「あ、これじゃない!?」

桃子さんが指差す。

「これは…ビルの屋上なので…恐らく貯水タンクですね」

涼平は冷静に答えた。

「じゃあ、これは…?」

「これはガスタンクじゃないですか?大きさが全然違いますよね」

「じゃあ、これも違う?」

「これは…丸じゃなくて六角形だと…」

「もういい!アンタ達で捜しなさい!」

桃子さんはへそを曲げてしまった。