時刻は午前1時。

美女は今夜も眠れない。

「あーあー。
眠りのプロとかが現れないかな〜。」

『それなら、私が。』

男性の声。

「えっ、だぁれ♡」

かわい子ぶる美女。

(ん。まてよ?実際に可愛い場合、
ぶりっ子というのだろうか。

ほんとうのことだからフリという
ことでもないのでは…??)

『私は、催眠術のプロ。

あなたを眠らせて差し上げましょう。』

「うわ、怪しい奴。
どうしよう。不法請求とかされたら…

うーん、ダサい服もきてるし、
顔もダサい…
髪は無駄にダサいし、
態度もダサい。

これは、詐欺だな。うん。」

『あのぅ…ピクピクッ

心の声がだだ漏れなんですけど?
ダサいダサい言わないでよぉ…

僕…もう死にたい。』

「うわ、僕⁈
ダッサー!イケメン気取りか
このやろぉ!

つかさぁ、死にたいなら死にゃあ
いいじゃん?
そういうのさあ、
聞いてるこっちはイラッとくんだよね。
聞きたくないから、さっさと死んでくれる?」

『っテメェ!
美人だからって調子こいてんなよ?

だいたいなぁ、死にたいと思ってる
奴に死ねっつう奴がいるか!』

「ああん?テメェこそ
調子こいてたわごとくっちゃべってんなよ?

テメェなんざ、クズやカスと
仲良く成仏しやがれってんだ!

なんなら手伝ってやろうか?
大丈夫、怖かねぇよ。

あたしが殴り殺すから、
テメェは安らかに眠りやがれ!』

ガンッ

『っくはぁ!
きさま…さっさと寝やがれ!』

「テメェは
永遠に眠りやがれこのやろおぉ!」

『ひぃーい!』

美女は今夜も眠れない。