闇のなかの森を歩く。

少しは眠くなるかとおもったが、
冷たい空気に目が覚めるだけ。

月の光も弱くなり始める。
朝がくる前に眠りたい。

「誰か、私を眠らせて…」

ざっ、ざっ、

枯葉を踏む音がじぶんの物ではない
事に気がつき、無意識に後ずさりを
する。



『お嬢さん、お困りですか?』

小さなシルエットが浮かび上がった。

「リス…?」