「おまえ、佐々木と仲良いんだ?」

健人が席へ戻って行って、チャイムが鳴り、みんなが読書の世界へ入ると、
隣の席の人が話しかけてきた。



「川崎くん。そんなことないよ?」


川崎くんこと、川崎晴也くんは、クールと有名な男の子。
切れ長の目に、きゅっと結ばれた唇に筋の通る鼻。
クール王子と呼ばれる川崎くんは、あまり女子と話すことを好まない。



「仲良さそうに見えるけど?」


川崎くんは、手に持った小説をパラパラめくり、私の方を見ずに言ってくる。