「リコー!!こっちこっち」

合コンのメンバーの一人、華子が集合場所から手を振って叫んでる。

わたしも手を振りかえし、作った笑顔で答える。

彼女がいつも合コンの企画をもってくる女の子。

極上レベルに存在してる子だ。

男子からみたら、高嶺の花的存在。

到着すると、すでにわたし以外のメンバーは到着してて合コン勝負服で着飾っていた。
ミニスカート。ファーのついてる白いコート。
淡いキラキラしたアイシャドウ。
ナチュラルな付けまつ毛に、テカテカ光った唇。
何とかって雑誌で”メンズの好きなファッション&メイク”っていう特集に載ってそうな格好。

フワフワしてて。
笑って髪を揺らした時にいい匂いがしそう。
実際、髪につけてるオードトワレがほのかに匂ってくる。
女のわたしでもドキッとするんだから、男の子はもっとするんだろうなって思う。

正直、羨ましい。
わたしは、そんなファッションが似合う顔立ち、雰囲気、両方ともないもんなぁ。

そんなわたしはどういう格好してるかって!?
スキニージーンズにブラウンのダッフルコート。
黒のアイライナーに真っ赤なリップ。
髪は、肩に届かないくらいのボブをセンターでかっちり分けてる。
さすがにスニーカーってのは、男子に対して失礼に当たりそうだから、
黒のエナメルのパンプスを履いて、一応気を使ってみた。

明らかに他の三人とは違う雰囲気。

ハイ、浮いてます。

最初は他のメンバーみたいな服装をしようと努力したけど、どうも落ち着かないから知らないうちに止めてた。