絶対日記『REWRITE』

放課後。
チャイムの音と同時に、誠は千里の席に行った。

「千里ちゃん」

誠の呼びかけに、千里は答えなかった。

「ありがとう。助かった」

誠はそう言うと、教室を出ようとした。そのときだった。

「誠君」

千里の声だ。誠は、千里の方を振り返った。

「……一緒に、帰らない?」

「え?」

その言葉に、驚いて口が開いた。

「嫌?」

「ううん。一緒に帰ろ」

誠は笑顔を見せると、二人は教室を出て歩き出した。

「なんか、久しぶりやな。一緒に帰るのは」

誠が言う。なんだか、嬉しかった。その横で、キョロキョロと周りを見る千里。

「どうしたん、千里ちゃん?」

「そんな、呑気な事言ってる場合じゃないでしょ。誠君、死ぬんだよ?」

その言葉を聞いて、少しドキッとする誠。

「大丈夫やて。倒したらええんやろ?」

「そんな簡単にいく相手じゃないよ」

「知ってるん、相手の事?」

「……知らない」

「え?」

「私たちは、名前も知る事すらできなかった」

「私たち?え?」

誠は、千里が言っている意味すらわからなかった。

「説明するよ。そこ、座らない?」

千里が指差した先には、小さな青いベンチがあった。

「うん」

誠はベンチに座ると、千里もその横に座った。そして、千里はゆっくりと口を開いた。