「何の為に、こんな……」

誠はペンを置くと、日記帳を閉じた。

「くそ!」

誠は部屋の壁を思い切り殴った。こうなると、今、日記をやめるわけにはいかない。

「いたずらなわけが無い……日記の秘密を知ってて、しかも…どうやって、日記帳にこの紙切れを挟んだんや?ずっと、カバンに入れてたんやぞ……」

髪をクシャクシャとかきあげ、頭を抱える誠。再び、全身に鳥肌が走る。

「三日で倒さな……死……」

そう思うと、怖くてたまらない。

「一体何冊あるんや、日記帳は……」

悩んでいても仕方が無い。とりあえず、誠は明日学校に行ってみることにした。





9月13日。

誠は学校に着くと、教室に入った。

「おっす」

そのとき、麗菜が声をかけてきた。

「おう」

誠は席についた。そのときだった。誠の視界に、千里の姿が目に映る。

「……あ!」

そして、思い出した。千里には、不思議な点が多すぎる。なぜ、誠に日記の秘密を教えても何もならないのか。なぜ、日記についてそこまで詳しいのか。気になった誠は、千里に声を掛けた。

「おはよう、千里ちゃん」

昨日の一件があった為、少し気まずかった。

「おはよう、誠君。どうしたの?」

誠の態度とは裏腹に、千里はごく普通だった。

「日記の事なんやけど……」

「日記?」